消防士が背中に背負っているリュックのような「空気呼吸器」。一見すると「酸素ボンベ」と思われがちですが、実は中身や仕組みには大きな違いがあります。背中のボンベから顔につけるマスクまで細い管が繋がっていて空気を少しずつ供給しているという構造です。
皆さんに安心感と興味を持ってもらえるよう、わかりやすく解説しますね。
「酸素ボンベ」ではなく「空気ボンベ」
一番多い誤解がこれです。そして、この二つは大きく違います、違いすぎます。
- 中身は普通の空気: 医療用や登山用の酸素ボンベとは違い、私たちが普段吸っている空気をギュッと圧縮して詰め込んでいます。
- なぜ酸素じゃないの?: 純粋な酸素は燃えやすいため、火災現場では非常に危険です。また、高濃度の酸素を吸い続けると体に負担がかかるため、あえて「普通の空気」を使っています。
- 普通の空気のため、消防署で専用の圧縮機を使用して、自分たちで空気を詰めています「充填(じゅうてん)といいます」
現場で何のために使っているの?
火災現場は、単に熱いだけでなく「目に見えない毒」で溢れています。
- 有毒ガスの遮断: 建物の建材が燃えると、一吸いで意識を失うような一酸化炭素やシアン化水素などのガスが発生します。
- 陽圧(ポジティブプレッシャー)の仕組み: 面体(マスク)の中の気圧を外より少し高く保っています。これにより、もしマスクに隙間ができても、「中の空気が外へ出る」だけで「外の煙が入ってこない」ようになっています。(過去の投稿「消防士に短髪が多い理由」でも触れています)
どのくらいの時間動けるの?
ボンベの大きさや隊員の活動量にもよりますが、おおよその目安は以下の通りです。
- 活動時間: 約15分〜20分程度。(活動内容や個人の空気消費量によって違う)
- 上記の時間はトータルの時間ですので、建物に進入したら帰りの時間も考慮する必要があるので、進入には多く見積もっても半分(最近は三分の一)の時間までとなっています。
- 残量アラーム: 空気が少なくなると「ピー」という警報音が鳴り、隊員に即時撤収を促します。
- 重さ: ボンベ本体だけで約8kg〜10kgあります。これに加えて防火衣やホースを持つので、消防士はかなりの重量を背負って動いているんです。
住民の方へのお願い
現場で消防士が「シュー、シュー」と大きな呼吸音を立てながら活動しているのを見かけるかもしれません。
「あの音は、隊員が安全に呼吸できている証拠です。」
もし活動中に警報音が聞こえたら、それは隊員が交代するサインですので、活動の妨害にならないよう進路を譲るなどのご協力をお願いできれば幸いです。


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