消防操法の訓練や現場で、消防士が「よし!」「放水始め!」と驚くほど大きな声を出すのには、実は科学的・実務的な3つの理由があります。
単に気合を入れているだけではない、プロの合理的な理由を解説します。
騒音の中でも「確実に」伝えるため
火災現場は、想像以上に「うるさい」場所です。
- エンジンの轟音: ポンプ車のエンジン音や、水を送る際の振動音。
- 燃焼音と破壊音: 炎が燃え上がる「ゴー」という音や、家屋が崩れる音。
- 周囲の喧騒: サイレンの音や、避難を呼びかける声。
こうした爆音の中でも、「放水していいか」「火が消えたか」という命に関わる指示を、無線機がなくても確実に仲間に届けるために、お腹の底から声を出す必要があるのです。
自分の「行動」を周囲に宣言するため(安全確認)
消防の世界には「指差し呼称(ゆびさしこしょう)」という文化があります。
- 例:「足元よし!」: 自分の目で見て、指で指し、さらに大きな声で耳に聞かせることで、うっかりミスを劇的に減らすことができます。
- 「柱が倒れそう、瓦が落ちそう」などと呼称することで、仲間にも危険因子を伝えることができます。
- 周囲への合図: 自分が今から何をしようとしているかを大声で言うことで、近くにいる仲間も「あ、あいつは今からホースを引くんだな」と瞬時に察知し、接触事故などを防げます。
恐怖心に打ち勝ち、自分を「ブースト」させるため
極限状態の現場では、誰でも恐怖や不安を感じます。
- 心理的スイッチ: 大きな声を出すことで交感神経が刺激され、集中力が高まります。いわば「戦うモード」へのスイッチです。
- チームの士気: 一人の力強い声は、チーム全体の不安を消し去り、「よし、やるぞ!」という連帯感を生みます。
住民のみなさまへ:あの声の正体
訓練中の大きな声に驚かれることもあるかもしれませんが、あれは「極限状態でもミスをせず、確実に任務を遂行するための技術」の一つです。
「大きな声は、安全のバロメーター。」
操法の掛け声(伝令など)は、独特の節回しがあって面白いですよね。
消防士が声を張り上げているときは、それだけ真剣に、そして確実に安全を確認しながら活動している証拠だと思って温かく見守っていただければ幸いです。
以上、報告終わり!


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