出張先のホテル、初めて行くショッピングモール、地下街……。初めて入る建物は、迷路のように感じることがありますよね。もし、そこで火災が起きたら? 煙が充満し、視界が悪くなった中で頼りになるのは、天井や壁で光る「誘導灯(ゆうどうとう)」です。
現場で経験から、誘導灯の種類と、それを使った正しい避難方法について分かりやすく解説します。
誘導灯には「2種類」あることを知っていますか?
実は、誘導灯には大きく分けて2つのデザインがあります。この違いを知っているだけで、逃げる方向の判断がぐんと早くなります。
① 「避難口(ひなんぐち)」誘導灯

- デザイン: 緑色の背景に、白い人が走っている絵。
- 意味: 「ここに非常口(出口)があります!」という合図です。
- 場所: 階段への入り口や、外へ出られるドアの真上に付いています。この光を見つけたら、そこがゴールの出口です。
② 「通路(つうろ)」誘導灯

- デザイン: 白色の背景に、緑色の人が走っている絵。矢印が付いています。
- 意味: 「非常口はあっちの方向ですよ!」という案内です。
- 場所: 廊下の曲がり角や、長い通路の途中に付いています。矢印の向きに従って進めば、上の「避難口誘導灯」にたどり着けます。
誘導灯を追いかける時の「3つの鉄則」
初めての場所でパニックにならないための、避難のコツです。
鉄則1:まずは「白地」を探して「緑地」を目指す
廊下にいたら、まずは「白地の誘導灯」を探してください。そこに描かれた矢印の方向へ進みます。進んでいくうちに、ドアの上に「緑地の誘導灯」が見えたら、そこが脱出ルートの入り口です。
鉄則2:低い位置の誘導灯も見逃さない
火災で煙がたまると、天井のライトは見えなくなります。最近のビルでは、床に近い「低い位置」にも誘導灯や蓄光シールが設置されています。煙は上にたまるので、姿勢を低くして足元の光を頼りに進むのが消防士の教える鉄則です。
鉄則3:エレベーターは絶対に使わない
誘導灯が指し示す先は、必ず「階段」か「外への出口」です。火災の時は停電で閉じ込められる危険があるため、エレベーターは無視して、誘導灯の導く階段へ向かってください。
- 「初めての建物」に入った瞬間にやってほしいこと
私たち消防士は、プライベートで建物に入った時も、無意識にこれを確認しています。皆さんも習慣にしてみてください。 - 「逆方向」の出口も見ておく: 入ってきた入り口だけでなく、奥にある別の誘導灯(非常口)をチラッと確認しておきます。入り口が火元になった場合、別の出口を知っているかどうかが生死を分けます。
- 階段の場所を覚える: エレベーターで上がったとしても、帰りは誘導灯を確認しながら階段の場所を把握しておくと安心です。
- もし誘導灯が見えなくなったら?
あまりに煙が濃く、誘導灯の光さえ見えない時は、「壁」を片手で触りながら進んでください。壁に沿って歩けば、必ずドア(非常口)にぶつかります。この時、誘導灯が設置されているドアノブの感触などを探りながら進みます。
まとめ
誘導灯は、私たちが現場に駆けつけるまでの間、皆さんの手を引いてくれる「光のガイド」です。
まとめ
- 「白地」は案内(あっちだよ)
- 「緑地」は出口(ここだよ)
このシンプルな違いを覚えているだけで、初めての場所でも落ち着いて行動できます。
今度、お出かけした際に「あ、あそこに白地の誘導灯があるな。矢印はあっちか」と、クイズ感覚で探してみてください。その一瞬の確認が、いざという時のあなたの命を救います。
以上、報告終わり!

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