今回は災害時に非常に重要となる「クラッシュシンドローム(圧挫症候群)」について、わかりやすくお話しします。
これは、地震などで倒壊した建物の下敷きになり、体の一部が長時間(通常は2時間以上)圧迫された後に助け出された際、急激に容態が悪化して死に至ることもある恐ろしい症状です。阪神淡路大震災の際も、救出されてからしばらくして倒れる方が、各地で発生して居合わせた人が謎の不審死として扱われていましたが、そのメカニズムをわかりやすくお伝えします。
なぜ起こるのか?
筋肉が長時間強く圧迫されると、その先の血流が止まり、筋肉の細胞が死んでしまいます。すると、筋肉の中に毒性の高い物質(カリウムやミオグロビンなど)が溜まった状態になります。
問題は、「救助されて圧迫から解放された瞬間」に起こります。
- 圧迫が解けると、溜まっていた毒素が一気に全身の血流に乗って流れます。
- この毒素が心臓に達すると、不整脈を起こして心停止を招くことがあります。
- また、腎臓に詰まると急性腎不全を引き起こし、数日後に亡くなってしまうケースもあります。
見た目に騙されないでください
クラッシュシンドロームの怖いところは、助け出された直後は本人が元気そうに見えることが多い点です。
- 「意識もしっかりしている」
- 「大きな外傷(出血など)がない」
- 「本人も『大丈夫だ』と言っている」
このような状態でも、体の中では刻一刻と毒素が回り始めている可能性があります。「助かった!」と安心した直後に急変するのが、この症状の恐ろしさです。
私たちができること(注意点)
もし皆さんが救助の現場に立ち会った場合、以下のことを覚えておいてください。
- 安易に引き抜かない: 2時間以上挟まれている場合は、専門の医療処置(点滴など)を行いながら救助する必要があります。無理に引っ張り出さず、すぐに私たち消防や医療チームに「何時間挟まれていたか」を伝えてください。
- 水分補給: 本人の意識がはっきりしているなら、可能であれば水を飲ませてください(毒素を薄めるため)。
- すぐに病院へ: 救出後に歩けるようであっても、必ず医療機関を受診させてください。
アドバイス
災害現場では「助かった後のケア」が命を分けることがあります。もし身近で長時間挟まれていた人がいたら、救出後も決して目を離さず、私たちに状況を詳しく教えてください。
以上、報告終わり!


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